OUT-HOO Projects
◆ 第13回 コーチングレポート ◆ T O P > コーチングレポート >
DATE : 2003.07.02
▼ 力づける
今回は「力づける」についてお話をしたいと思います。

コーチングは「課題の設定」とそれを乗り越える「挑戦」の繰返しです。いくつもの課題をクリアして、ゴール(目標)を目指します。しかし、いつでもその設定された課題を簡単にクリアできるとは限りません。時としてクライアントの心に不安な気持ちや自信のなさが生まれてきます。

「本当にできるだろうか?」
「やっぱり無理ではないか?」
「自分にはまだ早いのでは・・・?」

そんな時コーチはクライアントを力づけます。
「あなたなら大丈夫です。必ずその課題もクリアできますよ」

単に表面的な言葉で力づけるだけでは意味はありませんが、時にはそのたった一言に勇気付けられる場合もたくさんあります。

結局はクライアント自身が、どれだけ前向きになれるか?自分を信用できるか?やる気を出すか?が大切であり、その気持ちに一歩踏み込めるような一言がタイミングよく発せられれば、それはとてつもないパワーになるのです。

例えば、とても素晴らしいアイディア商品を生み出した一人のクライアントがいるとします。この商品は長年の研究・開発を重ねられてできた最高傑作で、クライアントも出来の良さにすごく満足しています。しかし、クライアントは営業については全くの素人で、どのようにして売り込めばいいのかわかりません。とりあえず1軒ずつ飛び込み営業をしていこうと考えましたが、いざ営業に出かけようと思うとどうも気持ちが乗らず、足取りも重くなってしまい、断られたときのことを考えるとなかなか最初の一歩が踏み出せません。

そんな時、コーチはどのように力づければいいでしょうか?
このような時「大丈夫ですよ。この商品は素晴らしいから、断られることなんてありませんよ!!」と言ってみたらどうなるでしょう?もし本当に断られた場合、クライアントは力づけられる前よりもさらに営業に出るのが怖くなってしまい、自信をなくしてしまいます。
こうなるとせっかくの力づけも全くの逆効果になってしまいます。

では、どんな言葉で力づければいいでしょうか?
まずクライアントが営業に躊躇している原因をつきとめてみる必要があります。なぜなら今回の場合は「営業で断られる怖さ」が大きな原因のひとつだと考えられるからです。

そのため「営業で断られること」「商品に価値がない」ことの区別をしっかりと認識してもらう必要があります。営業がうまくいかなかったからといって、クライアントが生み出した素晴らしい商品が全否定されたわけでもなく、クライアント自身が否定されたわけでもないことをしっかりと理解してもらう必要があるのです。このような意識がきちんと持てれば、クライアントは営業を断られることの怖さに面と向かえるようになり、やる気も出てきます。

ですので今回の場合、私がコーチならこのような言葉で力づけます。
「どんなにすごい営業マンでも断られるのが当たり前なんです。ただどんなに断られても営業を続けることが大切なのです。くじけずに続けていればきっとこの商品の良さに気づいてくれる人があらわれますよ!!」

コーチの力づけによって、クライアントがやる気を出し、そして前向きな考えの上で行動を起こすことはとても大切です。
コーチに力づけられたとき、クライアントはきっと「自分にとってコーチはどんな存在なのか?」といったことが実感できるのではないかと思います。

私にとって「力づける」のイメージは、何も言わずニッコリ笑って相手の肩に手をやることです。

Transmit The Information From Kyoto,JAPAN.
E-mail : ご意見・ご感想・お問合せなど
Copyright : © 2003-2009 OUT-Hoo Projects All rights reserved.